【事例紹介】「介護美容」のギフトが地域の高齢者の社会的孤立の対策に

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介護美容研究所の卒業生は、ケアビューティストとして施設での介護美容サービスの提供や地域の美容イベントの出展を通し、地域の高齢者の健康維持や交流の機会を増やして貢献しています。

なかでも、ギフトとして「介護美容」を贈る新しいサービスを提供するケアビューティストが増えてきており、地域の高齢者の社会的孤立の防止策の一つとなっています。
こちらの記事では、「ギフトとして介護美容を贈る」サービスを提供する大阪校の卒業生の活動事例をお伝えします。

大阪市内でケアビューティストになった卒業生が活躍

介護美容をギフトとして贈る、新しいサービスを提供する卒業生の一人に、ケアビューティストの米田美穂さん(36歳)がいます。米田さんは病気を持つ生前の両親の介護を行ったヤングケアラーの経験がきっかけとなり、1年かけて介護美容研究所で高齢者向け美容サービス提供の技術を学び、2024年3月に卒業してケアビューティストとなり自身のエステサロンを開業しています。

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現在は、施設で美容レクリエーションを定期で提供しつつ、地域の高齢者向け美容イベントを自主企画で開催し、介護美容を広げるための活動を行っているといいます。そのイベントをきかっけに大阪市住吉区の地域活動協議会との関わりが生まれ、地域の引きこもりがちな高齢者の方の居場所づくりや地域活性化・多世代交流に向けて連携して活動していくことになり、今後は月に一度、地域の美容デーを設けることになったとのことです。

大切な人に感謝を伝える、ギフトとしての「介護美容」

近頃、米田さんは、離れて暮らすご家族や大切な人にギフトとして「介護美容」を贈るサービスを始めています。 介護美容の贈り先の高齢者ご本人だけでなく、普段ケアをしているご家族などケアラーの支援にもつなげることを目的していると話します。

以下では「介護美容」が贈られたあらゆるシーンをご紹介します。

1.祖母に誕生日プレゼントとして贈る「介護美容」
依頼主は横浜に住むお孫さんです。新型コロナウイルスの流行で会いに行くことができなかった大阪に住む90代のおばあちゃんに誕生日プレゼントとして介護美容を贈りました。
当日、贈り先のおばあちゃんは嬉しくて泣いてしまい、メイクが進まないほどだったといいます。
メイク後は「これだけ長生きしたご褒美がもらえたようだ」、「これが本当の私なの?」と嬉しい声を聞けたとのことでした。

お孫さんのお母さまによると、「祖母が高齢になり家族への当たりが強くなり、美容からも遠のいていたところ、今回の介護美容のギフトをきっかけにギクシャクしていた家族関係が良くなった」と感想をいただいたとのことです。

2.家族が集まる日に贈る「介護美容」
依頼主は80代のお母さまを介護する娘さんです。普段は遠方に住む家族が集まる機会に、お母さまに介護美容を贈りました。
当日は家族が見守るなかメイクが行われ、まるで初めてお化粧する七五三の時のように「かわいい!」と盛り上がっていたといいます。お母さまご本人からは「今日はとびきり可愛くしてもらった姿を見てもらえてよかった」、「盆と正月が一度に来たみたいや!」という感想をいただいたとのこと。

80代のお母さまの日常生活での楽しみは、月に数回通うデイサービスに行くことぐらいしかなく、介護美容を贈ることで 非日常感をもたらすことができたのではないかと依頼者の娘さんは話されたとのことです。

3.身寄りのない地域の高齢者に贈る「介護美容」
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依頼主は大阪市の市民後見人(および民生委員)の方です。今年7月、施設に入居する身寄りのない高齢者の方に介護美容を贈りました。
当日、贈り先の高齢者の方は、最初は落着きがない様子だったとのことです。しかし、美容サービスを受けた後には変化があり、周囲の施設スタッフに「きれいになったね!」と褒められたところ、ネイルを施された手をスタッフに見せて応えながら、ずっと笑顔になっていたといいます。

依頼した市民後見人の方は「あんなふうに笑っているのは初めて見た」とおっしゃっていたとのことです。 このように、プレゼントやイベント時ではなくても身寄りのない高齢者の方とのコミュニケーションを生むきっかけにもなり、高齢者の社会的孤立の対策の一つにもなり得えます。

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